サブスクリプションが変えたビジネスと収益モデル

サブスクリプション…「Spotify」や「Netflix」を代表とした契約型のエンターテイメントサービスのことをそう呼びます。Spotifyがサービスを開始したのは2008年、Netfrixは2007年からビデオ配信サービスを開始しています。これらのサービスはたったの10年で人と音楽の結びつき方を根本から変えました。そんなサブスクリプションがもたらした変化とは、具体的にどんなものなのでしょうか?

 

 

サブスクリプション無報酬事件

 

 

少し前に、AppleMusicがサービスを開始し始めて間もない頃、アーティストに対して報酬を支払わなかった時があります。なぜかというと、Appleが3ヶ月の無料体験期間を設けるために払わなかったのです。これに対して、テイラー・スウィフトや多くのアーティストが所属するベガーズ・グループはAppleMusicに対する問題点を指摘した声明を公開しました。AppleMusicは月額約1000円でストリーミング配信、ダウンロード、ラジオなどが使い放題となる。音楽を提供するミュージシャンからしたら新しい形態の音楽配信サービスはプラスになるが、その間の報酬が0というのは作っても作っても音楽での収益が見込めなくなるという危機になってしまう。

 

 

従業員数削減をしても利益が増え続ける

 

いままで、音楽を聞くにはレコード(もしくは先進的なCD)を買う必要がありました。映画を見たければ、DVD(もしくは先進的なBlue-ray)を買う必要がありました。この過程には、ディスクを作成する会社やラベルを印刷する会社、さらにそれを販売する店舗などがあります。そこでは雇用が発生し、賃金も発生します。つまり、映画や音楽を販売するためには原価を抑えなければいけないので、利益が減ってしまします。これはもちろん自分に入る収益が少なくなるということにも繋がります。

一方、サブスクリプションサービスはどうでしょうか?Netflixは2012年度で2045名の従業員数で純利益17,000,000米ドルと、日本円換算約200億円と多額の現金を稼いでいます。単純計算すれば一人あたり1000万円お金を発生させていることになります。この数字を見れば、いかに少ない人数でより大きなお金が動いているのかがわかると思います。こういったことができるのは配信サービスで課金モデルであるサブスクリプションだから成しえる技なのです。

 

サブスクリプションだけでない収益モデルの変化

 

いつの時代でも会社の収益を最大化する試みは行われてきました。今ではその方法が「インターネットを使う」という会社もあれば「自動化する」という会社もあると思います。自動車業界ならば「ロボット工場化」をするし、証券会社は「取引所のインターネット化」をしました。これにより従業員数を減らし、顧客数を増やすことができます。これは何を意味しているのでしょうか?

極端な話、人類が農業を始めた頃は農家・狩人くらいしか職業は存在しませんでした。しかし、大量生産などができるようになり人手が余ると、二次産業や三次産業などが生まれるようになりました。保存食を作ったり、道化師が現れたりするのも別に不自然なことではありません。

ネットの普及により、大企業は窮地を迎えています。企業が窮地を迎えるというと語弊があるかもしれませんが、大企業が従業員数を大幅に削減することで経費を削減し、利益を増やし、より手頃な価格で購入者に商品を提供できるようにしようとします。そうなってしまっては大企業の資金力や従業員の数という圧倒的なポテンシャルの意味が薄れていってしまうのです。

先に述べたように、雇用が減ることはただ悪いということではなく、新しい産業を作りより楽しくて便利な世界に作り変えていく可能性を秘めているのです。

大企業とリストラは切っても話せない関係で、人件費はいつだって支出の大半を占めています。そこでこれからは「プロジェクト型社会」という考え方が重要になってきます。「人生に一つの会社」という日本独特の考え方ではどうしてもリストラ、失業危機は訪れてしまいます。

そうではなく、自分な好きな仕事を自分の好きな時に、そして自分のやりたい事をやりたい時に、やりたい人と新しい事を始められるようにする必要があるのです。