デリバリー業界の人手不足問題! IT技術による新しい解決方法~技術で労働力を補うことはできるのか~

日本通運やヤマト、佐川などの主要運送会社の合計売上高は10兆円を超えると言われています。業界の売上高が伸びていることはとても喜ばしいことなのですが、やはり問題になるのがデリバリ―する側の人手不足です。今回は、日本全体の問題である人手不足の中で特に最近問題が 取り上げられているデリバリ―業界について書いていきます。現在、人手不足問題は非常に深刻な問題ですが、具体的になんで人が集まらないのか。そんな、環境になってしまうのはなぜなのかということを考えていきたいと思います。

 

労働環境の見返りの悪さ

 

まず、人手不足問題の際に共通している課題は長時間労働・低賃金です。これに関しては、実際重大な問題も発生していてヤマト運輸では違法な長時間労働 をさせ、割増賃金を払っていなかったとして労務管理をしていた幹部二人が書類送検されるというようなことも起きています。では、なぜここまで深刻な長時間労働になってしまうのでしょうか?

やはり1番はネット通販の拡大です。ネット通販の拡大により荷物は増えましたが1つ1つの荷物が小型化し単価が下がってい るために採算が取りにくくなっているのです。少し前に話題にになっていたのは、ヤマトが大型取引先であるamazonとの取引を打ち切りにしたことです。理由は、amazonが行っているサービスの1つであるAmazon Prime Now(商品の当日配送)が、ヤマトの負担になっていることがあげられていました。消費者やamazonなどのECサービスを展開している企業は時間的サービス向上を目指しており、それを売りにした課金制度も珍しくないですが、配送側のヤマトなどからしたらただでさえ人手が足りない上に当日持ってこいというのは迷惑な話です。

これは、一部ではEC 豊作貧乏と言われてしまうほど深刻な問題となっています。そんな状況を変える方法が技術の進歩により出てきました。どんな技術で解決が期待されるのでしょうか?

 

 

IT 技術の進歩

 

これからもまだまだEC業界を中心としてデリバリ―業界への負担は大きくなることは予想されます。その中で果たして人手が足りないからと言って今回のヤマトのように取り引きを打ち切りにしていて競合と戦っていけるのでしょうか?おそらく答えはNOです。人手を確保しようと佐川急便の持ち株会社であるSGホールディングスは先日上場申請をしたと発表しました。しかし、資金によって人手確保ができるのでしょうか?それもおそらく答えはNOです。

そこで人手不足の解決に役立つ二つの技術があります。それが、ネットを使った個人配達員システムです。 これは、どういったシステムなのか簡単に説明すると、 人手が特に足りない時などに個人が配達員として派遣のような形で働くシステムです。

このシステムは、まだあまりメジャーになっていません。理由は、単に認知度が不足しているという事と、前から地元の配送業者が入って、ある程度配るという形がとられてきていてそれが、今も続いているために中途半端な量が残ってし まい、あまり個人配達員の方々が効率よく働けていない現状です。

ただ、他にも問題はあって無免許でお金を取って人を車で運んだら違反になるように、例えば車で移動します、同じところに行く荷物を車の後ろに載せて運んでも、報酬をもらってしまったら、同じく違反になってしまいます。ですが、これができるようになったら大手の会社は大口輸送だけに集中できることになるので、効率もよくなり確実に仕事量を減らすことが出来ます。

 

 

ドローン利用の可能性

 

また、これからデリバリー業界にも進んでくるであろうドローンもあります。ドローンを利用することで再配達の非効率性の改善と交通渋滞を避けることが出来ると考えられます。実際に都内では、35%が不在配達になっていて、長時間労働の原因にもなっていますし、交通渋滞の問題も配送時間が長くなれば当然労働時間も長くなります。

実際にドローンをデリバリー業界の人手不足解決方法として取り入れるには、「配送網」と「営業所」が鍵を握ると考えられます。それはシェアリングエコノミー型のラクスルの「ハコベル」やamazonがアメリカで行っている「Amazon Flex」などと似てきます。

今のドローン業界は、目視外でのドローン操縦の実績のある人の不足や、またマニュアル操縦であることのリスクが常にあります。そして、人材が少ないうえに高い技術をもった人を求めるために人材の高コスト化も起きています。

これからはIT技術を確実に取り入れていかなければデリバリー業界は人手不足により確実に衰退していってしまいます。ですから、そういった新しい技術を受け入れて実行に移すまでのスピードが重要になってきます。